ホームページ制作業界はあなたにとってどんな風に映っているのだろうか。同じ業界の者としてもの凄く気になる。
しかし、私が推測する限り全体的にはあまり良い業界だとは思われていない可能性がきわめて高いだろう。
先日、ある会社の幹部の方にこんな事を言われた。
「あなた方の業界はある程度の規模になると独立する人が出てきて、どんどん会社の数が増えていきますよね。
でも、その中で潰れていく会社も多い。なんかそんな事の繰り返しじゃないですか?」
確かにその通りなのかもしれない。現にマックスラインを退職して独立した人間は何人もいる。
しかし、その中で今も続いている者はほとんどいないし、続いていたとしても一人でやっている者だけだと気づいた。
「確かに……」
その人の言葉に返す言葉が無かった。
「制作会社って基本的に作ったら終わりでしょ。売ったら売りっぱなし。まともにフォローしてくれる会社なんてほとんどないですよ。」
と。確かにその通りだ。当社も創業から5年間はそんな感じだった。
作ったら仕事は終わり。次は新しい企業を探すだけ。そんな感じで狩猟型のビジネスをしていた。
今でこそ、専門のサポート部署を用意して既存顧客のフォローを積極的に行っているが、以前はそんな事を考えたことが無かった。
「この業界は世間から良いように思われていない。」
特にそれに拍車を掛けたのがホームページリース問題だ。
実際は30万円程度の価値もないようなホームページを無価値のSEOソフトなどと抱き合わせで販売し、
総額200万円以上のリース契約を結ばせるという商法だ。
最近は訴訟で和解したという話も聞くが、基本的にリース契約を結んだら最後。
5年間は解約できずに払い続けなければならない。
「検索エンジン対策万全です。」とか、「更新したい時はサービスで更新します。」などと言うが全くの大嘘。
「大阪 リフォーム」でトップ10を目指しましょうとか言いながら、同じ会社が大阪だけで数百社の建築会社と契約している。
数百社同時にSEOで上位表示するなんてそもそも物理的に無理な話だ。
完全に嘘だと解ってセールスしている訳だからこれは詐欺と呼んでいいと思う。完全な確信犯だ。
しかも、こんな会社にも関わらず上場まで果たしているというのだから一体世の中はどうなっているのだと思う。
日本で何万社にも上る企業がこのホームページ制作リース商法による被害を受けている。
あえてここでは社名を書かないが、ネットで「ホームページ制作 詐欺」とか「ホームページ制作 リース 被害」などという
検索キーワードで探せば幾らでも被害者のページが出てくる。
同じ業界だと思われるのが腹立たしいが、このコラムを読まれた方は絶対に騙されないようにして欲しい。
契約したら最後。泣き寝入りするしか方法が無い。
さすがに最近は被害が減ってきているようだが、それでもまだまだ根絶には程遠いのが現状だ。
リースと解った時点で電話を切る。これ以上会わないようにすることだ。
しかし、その責任は悪徳ホームページ制作会社だけではない。契約した企業側にも問題がある。
厳しい言い方だが、あまりにも無知すぎるのだ。
お年寄りが詐欺にあうのと基本変わらない。基礎的なネットの知識があれば防げたはずだ。
甘い言葉に乗せられた企業側の責任でもあるという事を付け加えておく。